「龍虎石畳文綾 」と 「星祭石畳文綾 」に込められたメッセージ
今回の通販では、「龍虎石畳文綾」と「星祭石畳文綾」の作品を中心にご紹介をしていますので、
綾に織り出された文様のご説明を致します。
どちらにも、碁盤の目の石畳に十の文様が織りだされています。
『龍虎石畳文綾』
◇端午の節句を寓意する五つの文 龍・鯉・菖蒲・瑞雲・兜
◇武家を寓意する五つの文 虎・桔梗・三矢・蜻蛉・沢瀉
邪悪なものから子供を守り、健やかに成長し、いかなる逆境にも勝つという
心強いメッセージが込められた織物です。
『星祭石畳文綾』
☆七夕を寓意する五つの文 朝顔・織道具の杼・笹・短冊
☆線香花火の燃え方を表した五つの文 蕾・牡丹・柳・松葉・菊
星祭は七夕の別名で、私達になじみのある牽牛と織姫の説話の他に、
詩歌や裁縫、染織などの技芸上達を願うものでもありました。
また、星祭には災いを取り除くという意味もあるそうです。
線香花火は、着火直後は花の蕾、火花が旺盛になると百花の王の牡丹、
四方八方に飛び出すさまは松葉、勢いが衰えていき細く垂れさがると柳、
そして、消える直前は最後まで美しく咲きながらも花弁をひとひらずつ落としてゆく
菊の花の散り際をたとえています。
いつの世にもある災いにも負けず、精進を重ね、
一瞬、一瞬を、大切に過ごすことが出来ますようにという想いがこめられた美しい綾です。
*古典織物制作者・中島洋一さんのの文様解説より抜粋いたしました。